2016年 05月 31日
こんにちは、スタッフのMr.Mです。 今年も早5ケ月が過ぎ去ろうとしています。そして私の大好きな 6月がやって来ます。6月は梅雨を連想しますが本格的な梅雨は概ね 6月20日以降が殆どで、6月の天気の良い日は湿度も低く日も長く、 ホント最高にご機嫌な月なんですよ。これって以前にも 言ってましたよね。 6月はバイクで長距離を走る事が、私のライフワークにもなっているんですよ。 さてさて今日は飛びっきりの試乗インプレッションをお届けしたいと思います。 番外編とはなりますが、至高のサイドカー、クラウザー・ドマーニを 取り上げてみたいと思います。今回はオーナーの佐竹さんの ご好意に甘えさせて頂き、このチャンスを逃さず約100kmの テストドライブを敢行致しました・・・・。 何時も通り雑誌記事やWebサイトのような難しい内容は一切ございませんと 言いたいところですが、ドマーニの試乗インプレは殆ど 見当たらないのが現状かと思います・・・・。 私自身、一人のサイドカーオーナーとして、またサイドカーファンとして、 少々辛口にはなりますが気合を入れてレポートしたいと思います。 こういう記事を掲載すると、またBMWさんからおこられるんですけどね。 ドマーニはレーシングサイドカーのコンセプトを導入した画期的なモデルで、 創業者であるドイツのミハエル・クラウザーの企画の元、シャシーを スイスのルイ・クリスチャン・レーシング(LCR)、 ボディーをブルック・ロルフ・メルシィー(BRM)が手掛けた、 当時の超一流どころのプロジェクトでした。 ドマーニがドイツの公道を走り出した事は当時から知っていましたが、 日本では’89年の東京MCショーにドイツ仕様の実車が展示され、 いよいよ日本でも発売されるのかと興味深々でした・・・・。 ![]() このドマーニは「お客様の愛車紹介Vol4」(2012年2月3日)で ご紹介させて頂いた佐竹さんの車両そのものです。 今回、車検整備とクーラントの漏れの修理を施し、 最後のテストドライブに入る段階でそこそこの距離を走らせて頂く事を、 佐竹さんにお願い致しました。 佐竹さんとはもう30年以上のお付き合いになり、以前は サイドカーミーティング等にもご一緒させて頂いた事もあります。 ![]() 真正面からの面構えはこのような感じで、これが何であるか知らない 方には、間違いなく異様な物体に映るでしょうね・・・・。 ![]() この車両は初期型のドマーニで、搭載されるエンジンはK100系の2Vであり 少々パワー不足(90PS)である事は想像が付きます。 その後K100系の4Vが搭載され、K1100系、K1200系へと進化を遂げました。 私の持論で申すなら、サイドカーはパワフルな方が絶対的に楽しく、 ドマーニには1200系のエンジンかそれ以上のモアーパワーがあれば、 まさに愉快・痛快・奇々怪々であったと思います・・・・。 ![]() ホイールはドイツのロナール製で、ドマーニ専用デザインとなっています。 タイヤはフロントとサイドが185/60R14で、リアが195/60R15となります。 ![]() ボディーは安全を優先して4人で慎重に取り外します。ストリップ 状態になると整備性の良さが良く判ります。パッセンジャー側も ボックス型フレームの恩恵で安全性が確保されています。 エアークリーナーボックスから伸びるダクトはノンオリジナルです。 ![]() フロントはハブセンターステアリングと変形ウイッシュボーンに ホワイトパワーの組み合わせです・・・・。 サイドはレーシングサイドカー譲りのダブルウイッシュボーンで、 こちらもホワイトパワーとの組み合わせとなっています。 ![]() ハンドル廻りはこのような雰囲気です。メーター類やスイッチ類もK100系の 流用で違和感はありません。この車両は、走行がまだ10,000kmに に達していません・・・・。 ![]() パッセンジャー側も撮影してみました。乗り心地はお世辞にも良いとは 思えませんが、一度誰かの運転で横に乗ってみたいものです。 ![]() カー側への乗り降りは、ボディーにお尻を乗せて180°回転させて行うのが 正しいのかどうか・・・・? それとも本車側から乗り降りするのが正しいのか・・・・? これは良く判りません。とにかくパッセンジャーシートに腰を 降ろしてみました。 丁度目線がこのようになります。 ![]() 車両の解説が長くなりましたが、先ずは一般道からスタートです。 サイドカーにしてはアクセルのオン・オフの切れ込みや変なクセも極めて 少なく、オートバイに親しんでおられる方であれば、案外違和感なく運転出来 そうですね。四輪よりは俊敏ですが、二輪のよな訳には行きませんけどね。 ただサスペンションストロークが短く、路面のギャップを受けやすい面が 見受けられます。タイヤの幅も影響している事は間違いありません。 すれ違う車や道行く人の視線を感じるのは、良きも悪きもドマーニの宿命です。 ![]() 伏見区の南に位置する、横大路運動公園の駐車場にやって来ました。 この駐車場は私がサイドカーを購入した時に、休み毎にスキルアップを 目指し通った場所です。 クイックターンや片車輪走行の練習を始めると、 仕事の合間に休憩?(サボってる)されている皆さんが足並みを揃えて 毎回いなくなりましたね。ドーモその節はスミマセンでした。 この日も数台の車が休憩?されており、 この光景は20数年前と何も変わっていませんでした・・・・。 ![]() 一般道で相当我慢を強いられたのが、 右側のフットレスト(フットブレーキ側)です。 ここに右足をねじ込む訳ですが、渋滞に捕まりラジエーターファンが 回り出すと強烈に暑くなります。 熱の逃げ場がなく左足との温度差はかなりのものです。 まあ、冬場は良いのですが・・・・。 ![]() ドマーニはこのアングルからが最も綺麗に見えます。地上高の低さと、 空力に優れたボディー形状がよ~く判りますね。 ![]() 反対側からも撮影してみました。左側面は スクエアーなラインが強調されています・・・・。 ![]() このアングルからもGOODかと思います。ドマーニオーナーさんでない限り、 なかなかこうして撮影する機会がありませんからね。 ドマーニの当時価格は685万円で(最後期モデルは1,000万円オーバー)、 おいそれと購入出来る価格ではありません。 ![]() 一般道の次はワインディングです。通常サイドカーのコーナーリングは 右コーナーと左コーナーでは大きく操作が異なります。カー側への コーナーリングは、遠心力の影響をモロに受けてカー側がリフトするの ですが、ドマーニの場合はそれがかなり抑えられています。 走ったルートでお話すならば、足廻りの優れたサイドカーでも 1・2・3辺りでリフトする右コーナーを、1・2・3・4・5でもリフトしない 路面との追従性はさすがですね。しかしハンドル幅が狭まく (実測で505mm)操作がクイック過ぎるのが難点とも言えます。 ![]() 一般道~ワインディングの後は高速走行です。 高速走行は「水を得た魚のごとく」と行きたかったのですが、 この車両にはハンドルセットバックが装着されており これがイマイチ良くありません。 ●50km/hまでは回すつもりでしたが●40km/hで ハンドル廻りに微妙な振動を伴い、もうそれ以上回すのは止めました。 ●20km/hで5,300rpm、●40km/hで6,300rpmと言った具合です。 K100の2Vのエンジンは回転上昇に比例して、シート・フットレスト・ハンドルに 順次振動が出て来た記憶がありますが、ハンドルセットバックを含め、ハンドル マウント類のラバーブッシュの状態も再確認が必要になって来ました。 オーナーの佐竹さんもこの事は判っておられ、ドマーニオーナーの方々は 各エンジンの性格にあわせて色々とハンドル廻りの改良を施しておられます。 但し車の間をすり抜ける横走りは絶妙で、後ろからの眺めはミズスマシのような 動きに見えると思います。切れ味鋭い奇抜な動きもドマーニを操る醍醐味です。 ![]() リバースギアも装着されており、出発時の事を考えた駐車方法を それ程意識する必要はありません。ローギヤの位置がRで、 かき上げ4速のワイドレシオとなっています・・・・。 ![]() ドマーニはサイドカーの中でも小まめなメンテナンスが必要不可欠です。 特にステアリング廻りのロアアームのピロボールや、 コントロールアームのピロボールが 20,000km前後でガタが出始めます。 又、サイドカーの場合はドライブシャフトに相当な 負担が掛かるので、こちらも定期的な (ドマーニの場合マニュアルによると25,000km毎) 交換が必要となります。私事で恐縮ですが、 10年程前に自分のサイドカーで山陽自動車道を 走行中に、ドライブシャフトが損傷してしまい途方に 暮れた経験もありますので、ドマーニに 限らずシャフト駆動のサイドカーにお乗りの方はしっかりとケアーをして下さい。 ![]() 至高のサイドカーと言われたドマーニも初期型に於いては 26年の歳月が過ぎ去りました。 発売当時は矢のように疾走するサイドカーのイメージがありましたが、 今は違います・・・・。 あらゆるシーンで優雅に、そして上品に流す走りがドマーニには 似合っていると思えてきました。 絶対的なスピードや強烈な加速は望めませんが、 レーシングサイドカーテクノロジーを生かしたコーナーリングの 安定感は今だ健在です・・・・。 私が知る限り、現在サイドカーオーナーの平均年齢は 65歳位とかなり高齢化しており更に減少傾向に陥っています。 我々の店舗でもサイドカーに乗りたいとおっしゃるお客さんは、 寂しい事にもう殆どおられません・・・・。 当社がBMWさんの意向もありサイドカーの販売から手を引いている事も ありますが、私もこの業界にいる限りサイドカーの 面白さを伝えて行かなければなりません・・・・。 今年は何とかサイドカーに乗る機会を作り、 何人かのお客様を巻き込んで行きたいと思っています。 「陸上を走る乗り物の中でサイドカー以上に面白い乗り物はない」と、 誰かが言ってましたね。 これホントですね・・・・。 最後に余談にはなりますが、ドマーニの登録を巡っては 大変なストーリーがあります。 長々と記載は致しませんが、当社は勿論の事、正規輸入元の㈱モトコの本橋社長、 サイドカー販売に於いて当社と凌ぎを削った 地元京都のサイドカー専門店・ケンテックの故O氏、 そして大物政治家のMr.X氏の存在を忘れてはいけません。 行政の厚い壁に果敢に挑まれ、ドマーニが日本国内に於いて サイドカーとして認められる(三輪自動車になりかけていた) 道筋を作って頂いた事に対し、ここで改めて敬意を表したいと思います・・・・。 ハイ、Mr.Mさんお疲れ様でした・・・・。 大変思いのこもったレポートとても勉強になりました。 僕の方も「こんな風に街中を疾走出来たらおもろいかも!」 なんて映像があったのでテンションを上げて見てください・・・・。 ボリュームを少し大きめで聞くとより楽しく見て頂けると思います。 それにしても、マン島は、色んなレースをしてますよね・・・・。 どうです?とっても面白かったでしょ!
by motorradkyoto
| 2016-05-31 18:09
| 試乗インプレッション
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