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2018年 05月 05日

試乗インプレッション No16/R100GS-PD(番外編)

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こんにちは、スタッフのMr.Mです。今日は昨今のGS人気のルーツを探るべく、ある一部の方からのリクエストにお応えする為に、私が新車から25年間愛用しているR100GS-PDの試乗インプレッションをお届けしたいと思います。本来ならばGSの礎であるR80G/Sを一番に候補に挙げないといけませんが、残念ながらユーザーさんに所有されている方がおられません。





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次に候補に挙がったのが当店サービスマイスターのH本君が隠し持っているR80G/S-PDですが、検査切れでしばらく動かしていないとの事。(たまにH本君が通勤に使っている時にこの企画を考えるべきだった・・・)ウ~残念。もう少し早ければ「歴代GSアドベンチャー特集」めいた記事も書けていたかも・・・です。





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1980年に発売されたR80G/SはBMWモトラッドの異端児的存在で、
当初はセールス面でそれ程期待されていた訳ではなかったハズです。
GSの躍進のきっかけは皆さんご存知のパリ・ダカールラリーへの
参戦であり、このラリーの黎明期に4勝(1981年・1983年~1985年)を
挙げた事を期に一気にクローズアップされました。ユベール・オリオールや
ガストン・ライエの活躍はビッグオフローダーイコールBMWのGSと言う
ポジションを確立しました。

特にヨーロッパでのGSの人気は上昇機運でしたが、日本国内に於いては
シート高の問題もあり、まだまだR100RSやK100RSのツアラー系の
足元にも及びませんでした。当時在籍されていたBMW-JのT本氏が
「俺がヨーロッパ並みにGSを普及させる火付け役になってみせる」と、
目をギラギラさせておられたのが印象的でした。





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さてそれでは本題に入りたいと思います。’88年の春に、OHVの
最大排気量であった1000ccのR100GS発売され、1年後の’89年に
外装に手が加えられたR100GS-PDが発売されました。価格は145万で、
現行モデルのR1200GS-Aと比較すると100万円以上も安かった訳ですね。
しかし中古車市場では品不足もあり、当時の新車価格を上回る異常な
価格で販売されている車両も見かけます。





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エンジンは何の変哲もない2VのOHVですが、シリーズ中最も軽いフライホイールと
40φのキャブレターの恩恵で、WサスやモノサスのOHV系と比較すると確実に
レスポンスが良くなっています。キックスターターも標準装備ですが先ず
使う事はなく、ストロークが短か過ぎるので私もキックでエンジンを始動した事がありません。
パワーは僅か60ps/6,500rpmで、現行モデル(R1200GSLC)の半分以下です。





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パラレバースイングアームはこのシリーズから採用され現行モデルにも
受け継がれています。私が思うにOHVのGSのしなやかな心地良さは、
このスイングアームが全ての鍵を握っていると思っています。
リヤのブレーキはドラム式で、「何となくブレーキングしているのかな」
位に思っておいた方が賢明です。





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フロントは21インチで、BMWがパテントを有していたクロススポーク
ホイール(前後共)が装着されています。こちらもこのGSシリーズからの
採用で、スポークホイールでありながらチューブレスタイヤの装着を
可能にした画期的なアイデアでしたね。ブレーキはシングルディスクの
2Pで、今では考えられない程の頼りなさです。ブレーキング時の
フロントフォークの沈み込みも相当強烈です。

最近のGSシリーズの新車には、ミシュランのアナーキ3が標準で
装着されている事が殆どで私もアナーキ3を試していますが、
オンロードGSライダーの方にはメッツラー/ツアランスNEXTの方が
良いと思います。





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ハンドル廻りはご覧の通りシンプル其の物で、飾りっ気は一切ありません。
何気ないウインドスクリーンもかなりの威力を発揮してくれます。
赤のハンドルバーパッドはノンオリジナルです。





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R100GS・R100GS-PDのメーターは前期型・後期型があり、この車両は
後期型になります。前期型のPDはパネルにスピード・回転計・時計の3つが
マウントされていました。スクリーンも左右非対称タイプとなっていましたね。





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燃料タンクは樹脂製で、容量は34L入ります。私のPDは’92年モデルの
93年登録車です。と言うのも「PARIS DAKAR」タンクロゴが意匠登録の
関係で使用出来なくなり、急遽苦肉の策のデカールが貼られ人気がなく
1年程売れずに残っていた車両なんですよ。’93年には最終モデルカラーの
人気が高かった事もあり、’92年のPDロゴは今では大変希少?なモデルと
なっています。





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タンク中央部には5Lの小物入れも有り、これがなかなか便利です。





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車両の解説はこのあたりで切り上げ、早速一般道からスタートしてみましょう。
最近の新型車に慣れた身体には笑える位のホノボノさですが、OHV系の中では
最も俊敏な動きをしてくれます。燃料がフルに入っていても車体の軽快さは
大きく損なわれません。3,000rpm以上回していれば一般道でも不満を感じる事は
先ずないと思います。





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ワインディングは現行モデル同様にかなりの軽やかさで、思わず「ニヤリ」と
顔がほころびます。私はこのGSで、本当の意味でのワインディングの楽しさと
奥深さに開眼したと思っています。





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一般道の少々荒れた道路でもかなりのリラックスモードで走行出来ます。
着座位置が比較的高く、前方の情報量の多さがもたらす安心感が違います。
四輪に於いても、RV系やSUV系の運転席が高い車は凄く運転が容易で
あるのと同様です。さらにハンドルバーまでの距離が近く、腕の自由度が
効きます。R1100系以降のGSはシート形状の問題もあり、この絶妙な距離間が
私の体型では遠くなってしまいました。





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フラットダートであれば、どの時代のGSであってもロードモデルの比では
ありません。OHV系GSはフロント21インチの恩恵も感じます。





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一般道とワインディングの後は高速走行です。このバイクは高速道路をガンガン
走るタイプではありませんが、●40km/hで5,500rpm、●60km/hで6,200rpmを示し、
●80km/h(7,000rpmのレッドゾーン)で全開となります。長い間乗っている中で
●80km/h以上出た事はなく、スピードを求める事はナンセンスです。





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R100GS-PD、それは極普通でありなが相応の存在感を有し、さらに実用的で
凄く便利な一面を持ち合わせているバイクです。特出した100点満点はないものの、
全ての項目で70点はキープしているのではないでしょうか。私も25年間連れ添って
来た訳ですから良妻バイクに違いありません。一般道をメインとした長距離
ツーリングにはこの穏やかなエンジンフィーリングは捨てがたいですね。
そしてワインディングの軽快さが歴代のGS同様に大きな魅力です。

最後にGS-PDのワインディング秘話をご紹介したいと思います。
私は正直BMWのOHV系はR100GS-PDよりもR100RSの方が断然好きで、RSは
外せないバイクとして乗り続けていますが、GSが発売された当時は全くGSには
興味がありませんでした。ところがある時当店に事務局を置くツーリングクラブKMCの
影響力のあるクラブ員さんがGS-PDを購入されたのをきっかけに、6人のクラブ員さんが
矢次早に購入され、RS対GS軍団でよくツーリングにも出掛けました。当時のクラブ員さんの多くは
40歳前半で私も30歳前半と、皆さんまだまだ意気盛んな年代でした。高速道路は
何とかRSに軍配が上がりましたが、ワインディングではGS軍団に全く歯が立ちませんでした。
第一戦・・岡山県の鷲羽山スカイライン・・スタート直後から大きく離され完敗(なんでやねん)
第二戦・・和歌山県の高野龍神スカイライン・・スタート直後から大きく離され完敗(そんなハズはないやろ)
第三戦・・静岡県の伊豆スカイライン・・スタート直後から大きく離され完敗(俺の腕が悪いのか)
第四戦・・岐阜県のせせらぎ街道・・スタート直後から大きく離され完敗(俺は足手纏いなのか)
第五戦・・長野県/群馬県の志賀草津道路・・スタート直後から大きく離され完敗(戦意喪失)
第六戦・・長野県のR299メルヘン街道・・スタート直後から大きく離され完敗(自身喪失)

'91年~’93年頃の事ですが、もうGSと一緒に走る事が嫌になる位コテンパンに打ち負かされました。
散々GSのワインディングの速さを見せ付けられて来たにも係わらず、それでもGSに興味が湧きませんでした。
ところがある事がきっかけでGS-PDを購入する事になったのです。それまでGSに試乗しなかった訳ではなかったのですが、
試乗した折の着眼点と自身の思い込みの温度差がかなりあったに違いありません。

試乗車と自身のバイクとでは少なからず感覚も扱い方も違います。購入して直ぐに
阪奈道路・周山街道・宇治川ライン・嵐山高雄パークウェイ等のワインディングを
走りに行きました。答えは直ぐに出ました。「これは速い・・・。そうだったんだ。」と。
以後GS軍団とのツーリングに於いては全く遅れる事はなくなりましたが、クラブ員さんの
興味はR1100系に移り、私もお客様ツーリングに駆り出すバイクは常にGSを
選ぶようになりました。R1100GS・R1150GS・R1200GS・R1200GSTU・R1200GSLCと進化し、
全てのGSにはGSスピリットが注がれている事は当然、今後もこのセグメントにおける人気は
揺るがないと確信しています。自身のこのGS-PDもここまで来たらもう運命共同体で、
可能な限り乗り続けて行きたいと思っている反面、良い嫁ぎ先があればそろそろ嫁に出さないと
いけないかなあとも思っています。



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by motorradkyoto | 2018-05-05 18:02 | 試乗インプレッション | Comments(0)


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